たま木工商店

tinto*tinto

2010年06月08日 23:59

沖縄の手作り市や木工展などのイベント、今や県外にもその活躍の場を広げている
たま木工商店』さん。

沖縄県産の木材を使ったスプーン、フォーク、お箸やお椀などの暮らしの中の道具
を作品として作り出し世に送り出していて、僕らも日々自分たちが使う箸やお椀、
スプーンにフォークなどを使っている。

こちらは、先日訪れた「カフェ山甌(やまがめ)」さんにて販売されている様子。
その他いくつかのカフェや雑貨屋さんで置いてあるのを見ることも多いけど、1つ1つ
丹精込めて作り上げるため、作品をおきたい、販売したい、という要望に追いつかない
ほどなんだそう。



こんな同じ木でも色とりどりのスプーンがきれいに並んだ光景を目にされ、作品を
手に取った方も多いのでは。

とにかくあったかい。

そのあたたかさはどこからくるものなのか?
通常は店舗を構えていないので、そういった商品を置いているカフェや雑貨屋さん、
もしくは“たまもく”さんが出店されるイベントで直接購入したり、ブログやお電話で
注文したりできるんだけど、今回はわがままいって、こちらも木材で2年半かけて手作り
したという、木の香りがたっぷりする東村高江のご自宅・工房に無理やり押しかけさせて
もらった。。。(たまもくさんスミマセンでした・・・)



今手元にある作品で、僕らが希望する、お箸、スプーン、お椀を白い布の上に
ババッと無造作に広げてくれた瞬間、お客さんは僕らだけの個展、展示会が始まった。
なんと贅沢な・・・。

基本的に使う木材は、こちらの5種だそう。



福木、オキナワウラジロガシ、ホルトノキ、想思樹、モッコク。
沖縄にいればよく耳に目にする木々で、馴染み深いのも多い。

その他、カンヒザクラなどの有名な木や、正直に「わかりません」という、
種類が不明な木でも作っている。



注文は、「この材でこの大きさの○○」という感じでお願いするんだけど、
その時々にある材料によって、同じお椀を注文するにしても大きさや色合いなど、
できるものとできないものが出てくる。当然、一生もんの一点もんなので、あたりまえ。

僕らも日々使わせてもらっている、お椀・箸・スプーンなども、随時オイルを塗ったり
個別に拭いたり乾かしたり、日々の手入れが必要で、時に手間がかかるんだけど、
段々と深みが出てきて愛着もドンドン出てくる。
子育て真っ最中の僕らからすると、それは子育てにも似ているかも。

お味噌汁を飲むにしても、味噌と出汁の香りにあわせて、独特な木の香りが混じって
何の変哲のない味噌汁にもコクがプラスアルファされる。
お椀やスプーンを手に持つ感覚もあったかく使うたびに日々手にしっくりと来る。
生活道具を一生もんにするとはこのことか。

今回そのあたたかさを、新しい宿のお客様にも感じて頂ければと、お客様に使って
頂く、お椀、お箸、スプーンをたま木工商店さんで選ばせて頂くことにした。



お客様にご利用頂くお椀の1つは、底が丸みを帯びたボウル型のお椀をお願い
したんだけど、これの場合、大きさが一周り大きいので、「木の材はこれでしか
作れないんです」と出してきてくれた、お椀が作品になる前の状態の材そのもの。

これを掘って削って塗ってなどを繰り返して、1つの木から、めちゃくちゃ手が
こみ、心がこもった素晴らしい作品が生まれていくんだなぁと、改めて作品作りの
大変さと、それだけ思いが詰まった一品なんだと、しみじみ。



たま木工商店さんは、「沖縄県産の身近な木材にこだわり、そしていつまでも
身近な生活で使える道具として愛着をもって使って頂きたい」という思いで、
自ら自然豊かなやんばるの奥地に家を建て身を置き、日々制作活動をしている。

そんなご夫婦の生活スタイルやあたたかさがそのまま作品から滲み出ているのです。

そういう作家さんの思いを、道具を通して感じ、出会って感じ、そして僕らが、
お泊まりのお客様にお使い頂く際にも、そういった沖縄で頑張っている作家さん達の
思いを伝えられたり、また、実際に使って頂いたモノを紹介できたりすればいいなぁ
と思っている。

料理や食材の世界では“地産地消”“生産者の顔が見える食材”なんて叫ばれ始めて
久しいけど、これを、全部が全部できるわけではないけど、できる限りは、宿で使う
雑貨類も顔や思いが見えるモノを使っていきたいなぁと、考えているわけです。

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 沖縄の宿 マチャン・マチャン
 沖縄いちゃりばちょ~で~移住記

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